貘の檻

32

長編ミステリー。
読み応えはあったが、所々に出てくる方言の意味が読み取れず、チョッとイラっと。(^^;
父親と息子の絆を深めた家族の物語でもあった。

主人公は40過ぎの男。
狭心症を患い、ある薬「プロプラノロール」を服用する。
この薬の副作用で悪夢を、過去の忌まわしい記憶を少しずつ消しさる。
すっかり依存体質となった。
貘に夢を喰らわすように。


32年前に父親が犯した殺人事件の犠牲者の一人だったはずの女が向かいのホームから電車に飛び込んだ。
なぜ? どうなってる??
離婚した元妻との間に出来た息子と、その謎を解くべく生まれ故郷に赴く。
そこで起こった数々の不可解な出来事に息子共々巻き込まれていく。

全ては32年前の誤解から始まった。
誰が誰を殺したのか。
複雑に絡まった糸をほどき、全ての謎が解かれたとき、主人公の悪夢は消え去り、また家族が一つになる予感で物語は終わる。