その日のまえに

67

あぁ、弱いなぁ、弱っちまったなぁ、涙腺が。
もうなんだね、自分も「生」から遠ざかって確実に「死」に向かってるわけで、この当たり前の日常が嬉しい。
あぁ、ジジくさ。(^^;

この作品は、まさに生きること、死ぬことを真剣に考えさせてくれる連作短編集でしたよ。
嫌なやつだったけど突然入院して帰ってこなかった少女のお話、早くに夫を亡くして娘と二人で生きている教師の前に突然現れた昔の教え子のお話、小学生の一時期を過ごした町に余命告知を受けた男がふらっと立ち寄り幼馴染と昔を語らううちに覚悟を背負うお話、高校に通う息子と二人の母子家庭で母は末期癌の告知を受け、息子に告げられずに、でも同じ年頃のストリートミュージシャンの少女に思いを託したお話、そしてこれまた末期癌の妻を抱えた家族が「その日のまえに」、「その日」、「その日のあとで」どう向き合って過ごすのかというお話。
バラバラだったお話が、最後に向かって綺麗に繋がる。





年老いたお袋を残して逝ってしまった親父ぃ、2回目の盆が終わろうとしてるよ。
俺たちの判断、間違ってなかったよね。