ガソリン生活

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いやぁ、こりゃ愉快、愉快。
楽し、おもしろ可笑しい作品だったわ。
主人公が良くってね。
緑色の旧型デミオとその持ち主の家族。
クルマというのがミソ。
変に人間臭い設定。
「違和感があるね」に対して「半ドアか?」との切り返しだったり、「無駄足だったのか」「無駄タイヤだ」だったり、「お手上げ」の気持ちは「ガルウィングドアの気分」だったり、著者の茶目っ気が出ていて「クスッ」となること請け合い。(^^)
車同士で排気ガスが届く範囲内なら会話ができる設定もこの作品において欠かせない要素。

で、現実的にあり得ない取り合わせなんだけど、ちゃんとミステリーしてるし。

緑色デミオの持ち主の大学生の長男が駐車していたところ、いきなり女優に乗り込まれ、女優を目的地へ送り届ける羽目に。
ところが翌日にその女優は事故死してしまう。
長男の小学生の弟(これが変に大人びている)と共に、ひょんなことで知ることとなった女優を追いかけ回していた芸能記者を巻き込んで(?)女優のトンネル事故死に首を突っ込む。
次第に兄弟は本当に事故だったのか?と疑問を持ち始める。
さらに事件と関係があるのかないのか、ある傍若無人にして凶悪犯の子分らに長男の母、妹まで巻き込んで・・・・後は伊坂ワールド全開!

2輪車と会話できないが、列車とは会話できる。
車輪の数が多いほど知能が上だとか。
この設定も笑えるね。

最後まで人とクルマは会話できないが(クルマは人語を解する)、エピローグで妹の子(10年経っている)が・・・・
そして売ったはずの緑色デミオとの・・・・
いやぁ、いいねぇ。(^-^)



作中にドサグサに紛れて「 オー!ファーザー」の6人家族が乗ったビアンテが出てきたり。(^m^)