きみのためのバラ

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8編からなる短編集。
物語の設定場所は国際色豊かでバラバラ。
短編なのだが、一話一話が心に響く、染み込む、癒される。
表題作の「きみのためのバラ」なんていいよなぁ。
テロに怯えなければならない現代から一挙に若かったころの過去へ。
憧れて行ったアメリカに飽きて訪れたメキシコ。
そこを旅するうちに、ある列車で出会った少女に惹かれる主人公。
言葉が通じなくても思いは伝わる、という感じが良く出ていてる。
一期一会。
もう決して出会うことはないからこそ心打たれるのである。