母性

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この作品、各章毎に「母性について」で学校の教師二人が新聞記事に出ていた高校の女生徒の転落事故について意見を交わし、「母の手記」で神父に自分の母と過ごした甘い思い出と思うように育たなかった娘のことを独白、「娘の回想」で娘が自分の母への愛情の渇望を訴えるこれまた独白の形で展開されている。
途中で話がこんがらがって、独白が転落事故の当事者である母娘のことかと勘違いしてました。
終章で氷解!(^^;
何かハッピーエンドで、ちょっとモヤモヤしてます。
もうちょっと毒気が多くても。(^_^;

テーマは題名通り「母性」。
わたしゃ男だから分かんないけど、女性は生まれながらにして母性が備わっているのか、成長の過程で獲得していくのか、子供ができたら湧き出るのか。
作品で書かれているように母性が無くても子は産めると。
この作品に出てくる母親は、どうやら子供のまま大人になった口だな。
娘が出来ても母に依存し続けているし、娘よりもランクが上なのに驚いた。
娘の方は、母親に甘えたい、褒められたい、抱きしめられたいと思いながらも不器用にしか対応できずに母親を喜ばすことはできない。
すれ違い親子だったわけだ。
母性のリレーは、上手くバトンを渡せるのか。
愛能う限り・・・う〜ん、怖い。