黙秘 裁判員裁判

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主人公は、5年前に愛する一人娘をストーカー野郎に轢き殺されていた。
ストーカー野郎は、単なる交通事故の過失致死罪にしか問われず、3年の服役で出所していた。
ところがストーカー野郎は殺され、主人公が殺人罪で逮捕された。
この裁判が裁判員裁判で裁かれるところとなり、主人公は主要な部分において黙秘を貫く。
それは弁護人に対しても同じであった。
この作品では、主人公の友人と、娘の婚約者と、ストーカー野郎の裁判を傍聴していて、今回の裁判員としても選ばれた青年が、それぞれの立場、視点で描かれている。
黙秘の理由は? 弁護人の戦術は? 裁判員らはどう判断して行くのか?
そして、真実は何処に?
裏切り、憤り、葛藤、自責、それらの心の揺れが手に取るように分かる。
主人公が到達した「寛恕の念」の境地には・・・私には無理だ。(^^;