覇王の番人 上・下
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いやぁ、まさに渾身の時代小説でしたよ。 一気に読み切りました。 実に興味深い設定と展開でしたね。 光秀と光秀が雇う忍びの者を交互に書き連ねる。 で、それは寂れた寺の坊主を尋ねた侍の語る話という体裁をとる手の込んだ手法を採る。 著者が今までの光秀像に疑問を持ったことからこの作品が生まれた。 うつけ者と呼ばれた若き信長の隠された真の才能を見抜き、戦乱の世を平定して万民に安寧をもたらしてくれるはずと上洛に力を貸したはずだったが、担ぎ上げてみれば彼もまた権力欲に酔い潰れる鬼であったと悟る。 万民のためと打って出るも、策略に嵌められ、非情の仕打ちには物語とは分かっていても我が身のごとく口惜しい気持ちにさせられる。 日和見、裏切り、はかりごと、戦乱の世の常としても、その無情感の醸し出し方たるや見事ぢゃ。(^^ゞ 光秀よ、実際のところどうぢゃったのだ? |