日曜日たち

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若者(幅はあるけど)の「日曜日」を題材にした短編連作5編でした。
読み進めて行くうちに「あれ?」と気付く。
全ての作品に幼い兄弟二人が登場しているのだ。
どうやら母親を探して二人で上京してきた様だが、食うモノもろくに食わず、風呂も入っている様子もない、ワケありの彼らたち。
それぞれで、主人公にかまってもらいながら最後にそれなりに道を踏み外すこと無く成長した姿がそこにあった。
主人公らは、それぞれ悩みを抱えながらも過去を振りかえって「嫌なことばっかりだったわけではない」と思う。
読後の何となくホッとしている自分に気付く。
そうだ、嫌なことばかりじゃない。
明日は晴れるかな?