パレード
111
うわっ、変だ! 変な人たちだ!! 2LDKの賃貸マンションに二人の男と二人の女の4人の共同生活がオムニバス形式で描かれてます。 途中で男1名追加の5人になったけど。 程良いお互いの距離感が暮らしやすそうで楽しい感じ。 青春小説だなぁと思ったんだけど・・・ 最後の一番年上の男の章で、この男がとんでもないことをしていたことが判明する。 同居人の一人に見つかったのだ。 でも、何事もなかったように振舞う。 男は見つかったことでやっと終わったと安堵したのだが、意に反して警察に突き出されることもなくマンションに戻る。 戻ると同居人我勢ぞろいしていて、いつもの日常があった。 みんな実は知っているんじゃないのか、わざと何もなかったように見せかけているのではないか、という疑念が湧き、かえって罪の意識に追いやられる。 パレード、いったい誰に何を見せようとするのか? 共同生活のそれぞれの「役」を演じる仮の姿なのか?? 楽しく面白かったはずの物語が、まるでオセロの駒がひっくり返るがごとく暗転し、何とも微妙な読後感に包まれてしまった。 |