羊をめぐる冒険

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「僕」と鼠の三部作ここに完結って感じ?
もう続きは無いよね。
途中で「鼠」が出てきたので、「風の歌を聴け」、「1973年のピンボール」の続きだったんだと気付くぐらい村上春樹の作品を知らない。(^^;
僕に黙って街を出て行った鼠から久しぶりに手紙が届いた。
それには1枚の雪を頂く山を背景にした草原が広がっていて、どこには数十頭の羊が写っている写真が入っていた。
その写真には1頭だけ違った羊が写っていた。
背中に星の形をした模様があった。
その羊と鼠を探す物語。
非現実的で夢想のような定かでない何かを求めるみたいな旅。
そこで「僕」が手に入れたものは何だったんだろう?
究極の孤独と退屈だったのだろうか。
確かに言えることは青臭い言い方だけど、10代後半から20代にかけての青春と呼ばれる一時代の終焉を迎えたのだと。
列車の発車ベルとともに聞こえた爆発音と一筋の黒煙と一緒に。