最後の息子

91 

横道世之介」を書いた吉田修一氏の処女作である。
オカマちゃんとの同棲の日常をビデオに収めてそれを見返す「最後の息子」と、酒屋の家族を描いた「破片」、高校の水泳部を描いた青春小説の「Water」の3作品を収録。
個人的には「Water」だな。
バイク事故で尊敬する兄を亡くし、彼が持つ最高記録を塗り替えるべく練習に打ち込みながらも、仲間との悪ふざけや恋を爽やかに描いている。
死んだ兄とは違って自分は生きていくんだという最後の終わり方も良かった。