葡萄と郷愁

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時代背景は、1985年のソビエトが存在していた頃。
日本の東京とハンガリーブダペストで、同じ日の同じ時間帯に人生の岐路となる重大な決断を求められた二人の若い女性が主人公。
日本女性は外交官との結婚を、ハンガリー女性は金持ちの未亡人の養女としてアメリカ永住を決めなければならない。
夢と自由、その決断に迷い、揺れ動く。
打算、夢、幸せ、家族、友人。
一人は幼馴染の恋人を捨てて未来の夢を求め、一人は自由よりも思い出と生まれ育った故郷を取った。
違う場所で、同じような境遇の接点のない女性が違う選択をした対比が面白い。
そんなに長い作品ではありませんが、読み応えはありましたね。