憑神

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抱腹絶倒とまではいかなかったが、くすりとはしましたね。
時代は江戸末期、貧乏武士のとある男が酔った勢いでうらぶれて朽ち果てそうな小さな祠に神頼みをした。
が、それは「三巡稲荷」と呼ばれる三大邪神を祀ってあった。
まずは貧乏神。
これを「宿替え」で自分を追い出した婿入り先に振って切り抜けた。
次は厄病神。
これも「宿替え」で家督を継ぐも勤めを果たさぬ実兄に振って切り抜けた。
最後が最悪にて最強の死神。
こればっかりは他人に振れぬと思い悩むのだが。。。
最後の最後に人としてやるべきことををやり抜き、三大邪神をひれ伏せさせた。
神に勝った。
清々しいまでも潔い男であった。
爽やかな読後感でした。
浅田さん、こういうのも書いていたんですね。
知りませんでした。(^^;