地のはてから 上・下

5、6

大正から昭和の中頃までの激動の時代を未開の地、知床で生き抜いた親娘2代にわたる女の物語でした。
投資に失敗した父は、借金取りから逃げるようにして家族と北海道開拓民として知床に入植。
自然の容赦無い厳しさが、ひしひしと伝わってきます。
その苦しい生活から抜け出すこともできず、時代に、男に翻弄され続けた母と娘の境遇が哀しい。
最後の最後でやっとちょっぴりの幸せを掴めたのだろうか。
長編の大作でした。

ちなみに「知床」の語源は、アイヌ語の「シリェトク」、つまり「地の果て」という意味なのだそうな。