往復書間

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やっぱり湊さんの作品らしいわ、と思いました。
どこか異様に刺々しい描写がある。
今回は「書簡」をやりとりする形体をとっていますが、そんなこと書くかなぁとツッコミを入れてみたり。
メールと違って手紙となると慎重に、そして読み返すと思うから。
ま、そこは湊さんらしい作風ということで。(^^ゞ
内容は、3作品あります。
「十年後の卒業文集」、これは結婚式の招待に代理で本人を装って出席したら、バレないどころか自分が5年前から行方不明で自殺しているかもしれないとまで言われ、真相究明すべくもうしばらく友人のフリをして手紙をやりとりするという内容。

「二十年後の宿題」、これは教師を引退した元小学校の先生が自分の失態の影響が出ていないか6人の元教え子の現在の様子と、あの事故のことをどう思っているのか別の学校の教え子に調査を託した。
結構身勝手なおばさんだと思ったら、最後は意外な展開に。
珍しく? Happy End ではないかい??

「十五年後の補習」、これは遠い僻地に国際ボランティアとして赴任してしまった彼と日本に残って待つ彼女とのほのぼのとした国際文通だと思った。。。
んな訳が無い!(苦笑)
やはりそうくるわね。
忌まわしい過去の出来事が鮮明に思い出された時に扉は開かれた。
結構重いです。
それでも一途な想いが、果たして伝わったのだろうか。
新たな苦悩の始まりの予感。