黄金の島

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黄金の国、ジパング
この国に生まれて過ごしている我々はそれを幻想だと知っている。
そんなものは存在しない。
この物語は、日本のヤクザの男の逃亡先であるベトナムで自分の命を守りながら現地の少年のらの抱く夢と野望を、日本に蜜入国する手助けを買って出て、自分も何とか帰国を果たすために、1艘の漁船で大海原に出るお話。
底辺に住む、現実を何も知らない若者に若き自分の姿を重ねる。
日本に行っても何の保障もない、いや日本までこんな小さな船で渡る無謀さを説いてみたが彼等の意思は硬かった。
貧しいアジアの現実を、ヤクザの執念を、女のしたたかさを、この長編作品で見事に描かれているなぁと感心。
それにしても長かった。。。