さくらの丘で

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赤というか濃いピンクの装丁が美しい。
内容も美しくも少し悲しい感動のミステリー。
大好きな祖母が残した遺書。
そこには、さくらの丘の土地を譲るとあった。
一緒に入っていた鍵が正にKey。
祖母の幼馴染だった二人の孫にも同様の遺書と鍵。
3人の孫娘が「さくらの丘」に建つ古い洋館に遺されたはずの謎を解き明かして行く。
平行して3人の祖母たちが少女だったころの話が展開される。
どういった経緯で洋館を手に入れるに至ったのか。
そしてその謎がわかったとき、深い悲しみに包まれた。
3人は、その洋館を引き継いで守っていくことを誓う。
これは小路幸也氏なりの反戦小説なのかもしれない。