僕は長い昼と長い夜を過ごす

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相変わらずタッチが柔らかい。
読んでてリラックスできてしまう。
この著者にはハードボイルドは書けないんじゃないかと。
非二十四時間睡眠覚醒症候群、50時間起きて20時間眠る。
そういう26歳の青年が主人公。
本人は病気という認識はないようだ。
そんな状態なので普通の会社員にはなれず、契約のゲームプランナーとして働いている。
そんな彼が上司からある人物の監視のバイトを頼まれる、彼の特性を見込んで。
で、その監視してたおっさんが倒れてしまい、病院に連れていくどさくさに2億円の入ったキャリーバッグを持ってかえってしまう。
どうやらその金は表に出してはいけない裏金だったわけで、そこから色々と面倒に巻き込まれる。
ついていないといえば彼は、母は失踪、父は何者かに殺されているという悲惨な過去を持つ。
種苗屋のナタネさんに助けられながら何とか面倒にケリをつけたのだが。。。。。
父を誰が殺したのかは最後まで明かされない。
それでも犯人は主人公なんだろうねぇ。
それってどうよ。
ま、確かに誰が犯人でも周りが不幸になるだけだから知らない方がいいんだろうけど、本人気づけよ!(苦笑)
「驚愕の事態」と解説されているが、まぁ驚愕の事実ではあるが鬼気迫る感じがしないのが著者文体の特徴。
なんともノンビリと牧歌的ですらある。
こんな形のハッピーエンドは、ありなのか??

P.S.
最初の方の伏線がそうつながるか!!(笑)