逃げる

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逃げる、何から?
愛する夫から?
優しい姑から?
愛しい娘から?
幸せな日常から?
愛するる者を守るために?
忌まわしい過去から「逃げる」。
娘に虐待してしまうかもしれない自分から「逃げる」。
幼い頃、父から性的虐待を受けていた、父は母を突き落として殺した、憎むべきはお前の父、もし会うことがあれば殺してしまいなさい。
そう祖母から教え込まれていた。
で、出会ってしまった、父に。
過去を隠してきた。
だから今更夫に、姑に、娘に知られてはいけない。
黙って家をでる。
末期癌で余命8ヶ月の父と逃避行。
8ヶ月の我慢。
殺してしまいたいぐらいに憎いはずだったのに。。。揺れる心。
主人公の葛藤が手に取るようにわかる。
消えていた過去の記憶が詳細に甦る。
あっ、そういうことだったのか。
全てが氷解しました。
なんということだ、180度反転してしまった。
本当に悲しくて辛い過去。
それでも愛するひと達に暖かく迎えられて主人公は帰ってきた。
一応のハッピーエンド。
よくできた長編サスペンスでした。
虐待って怖い。。。。。