家族はつらいよ 2

28

読了。

山田洋次監督が描く新作喜劇映画シリーズ「家族はつらいよ」のノベライズ第2弾。
ま、これしか読んでなきゃ、小路幸也が著者でなきゃ良くできた家族小説、というかお茶の間ドラマ小説だね、で終わるところなのだが、いかんせん彼には「東京バンドワゴン」シリーズという壮大なる昭和の匂いプンプンのお茶の間ドラマ小説があるから。(^^;
語り部のサチと被っちゃうんだよなぁ、富子さんは。
その他の配役もね、何となく。
面白くないわけではないが差別化がね、課題だと。

遠い唇

27

読了。

(続)短編集って良いですよね。(^^;
7編あります。
表題作の「遠い唇」は謎が解けたも遅過ぎて切ない。
「解釈」は何処と無く星新一を彷彿させ、笑わせてくれます。
「ビスケット」は難しい、無理です。
などなど。。。。
あっという間に読めてしまうので取り敢えず余韻に浸ろう。(笑)

素敵な日本人

26

読了。

短編集って良いですよね。
電車の中で読むのに一番いい感じ。
それが東野圭吾の作品なら文句はない。
ブラック混じりのミステリーが9編。
堪能しました。
嫁にも貸したけど面白かったって。
今年初購入単行本だったり。(^^;
間を置いてもう一度読もうっと。

アトミック・ボックス

25

読了。

逃走劇だね。
父親が遺したCDメディアが1枚。
これを巡って警察が、公安が、父の娘(主人公)を追う。
追われるから逃げる。
顔見知りの老人や父と懇意だった新聞記者、友人を頼って逃げる。
行先は東京。
父が昔携わっていたプロジェクトの元締めの男に会いに。
その真意を質すために。

そのプロジェクトとは原子爆弾の自主開発!
なぜ父が? 漁師として生きた男ではなかったのか。
アメリカの妨害による開発の頓挫。
情報が北朝鮮に漏洩して核開発に繋がった国家的失態。
なんか作り話とは思えない微妙なリアルさが不気味。

アトミック・ボックス、それは原子爆弾に関する書籍を放り込んでただけの箱だったのに。。。。

64 (ロクヨン)

24

読了。

うーむ、長編で重い(笑)んだけど、最後までキッチリ読ませられたわ。
いいね、これ。

昭和から平成へと年号が変わる昭和64年に起こった誘拐殺人事件、未解決で通称「ロクヨン」と呼ばれている。
当時この事件の捜査に関わった主人公は、今は刑事部を離れて警務部の広報課に所属。
刑事部と警務部、地方県警と中央の警視庁、叩き上げとキャリア、色々なしがらみ、主導権争い、マスコミとの信頼関係の破綻等々に巻き込まれながら自身も娘が家出中。
そんな時に長官視察があり、主目的は県警刑事部長の首のすげ替え。
警務部と刑事部の両方から突き上げられる主人公は。。。。
決して表沙汰にならない裏事情がリアリティを伴って読み手に迫る。
最後の模倣犯的な誘拐事件も重なって気を緩めさせない。
そんなに警察小説は読んでないけど、今まで読んだ中では一番楽しめましたね。

世界から猫が消えたなら

23

読了。

いや、こりゃ予想外に面白かったわ。
30歳の郵便配達員の男が末期癌(脳腫瘍)で余命いくばくかの宣告を受ける。
そして目の前に現れた自分そっくりの、性格も服装も自分とは真逆の悪魔と取引をする。
世界からある物を消滅させる代わりに1日寿命を延ばしてもらうという契約を。
チョコレート、電話、映画、時計、1日1つずつこの世から消して自分は1日を生きながらえる。
そして悪魔はとうとう自分が飼っている愛猫のキャベツを含む猫を消すことを提案する。
このとき彼は悟のだ。
世の中に消えていいものなんかない、世の中の素晴らしさ、生きていくことの意味、自分の存在理由等々。
そして彼は運命をあるがまま受け入れて悪魔との契約を終了する。
会いたかったくせに会わずにいた父の元へ自転車に乗って行く途中の丘から下るところで物語は終わった。
うーん、エンタメであり、人生書であり、究極の哲学書なのかもしれない。
良い本でした。