鹿の王 上・下

103、104

2015年の本屋大賞に選ばれた長編ファンタジー
かなりの分量で且つ、支配するもの思惑、支配されるいくつもの氏族の恨み思惑が複雑に絡んでるし、更にウィルスやそれに対応する薬などの医療関係の言葉が現在使用しているものと違ってファンタジーの中の独自の言葉に置き換えられているのでややこしいことこの上ない。
諦め、従属、反発、裏切り。。。
見えざる病魔への恐怖、人や氏族間の心理の移ろいが上橋さんならではの描写力で読ませます。
この辺りは守人シリーズで読み慣れたものです。
それでも楽しめたけど理解するのに疲れました。(^^;

読むまで勘違いしてたけど、「鹿の王」とは鹿の頂点に立つ者のことではなかったのですね。
主人公のヴァンの最後の決断が哀しい。
それでもヴァンを好いたサナと血の繋がりはないけど、確かに「愛娘」のユナが側にいれば「人」に戻れるよね。

ユナちゃが舌ったらずで和ましてくれます。(^-^)