殺人出産

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とある新聞の書評に載っていて気になったので借りて読んでみた。
最悪だった。
最悪の読後感なのだ。
こんな妄想、よくできたものだ。

表題作は未来のお話で(他の3編もそう)、「殺人出産制度」なるものが法制化され、人ひとり殺したいなら10人子を産めというもの。
男も人工子宮を埋め込むことで可能だとか。
このような人を「産み人」と言い、皆から崇められている。
で、産み人から死を宣告された人を「死に人」と言われ、宣告理由は問われなく、この運命は変えられない。
殺されるのが嫌なら自死は許される。
拒否はできない。
で、「殺人出産制度」以外で人を殺めた場合、死刑は無いが一生子を産まなければならない。
これらは全て少子化対策なのだと言う。
う〜ん、狂ってる。
まともな感覚では理解不能
ブラックを通り越してユーモアの欠片もない。

他の3作品も同様で、生(性)と死をいびつに描写している。

私は著者の挑戦的妄想を買わない。