とっぴんぱらりの風太郎

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乱世が終わろうかという時代背景。
忍者の存在意義も失われ始めた時代で、最後の大輪の花火を打ち上げたのが(比喩だよ)主人公の風太郎。
これで「ぷうたろう」と読ます。
プー太郎? ニートなのか??
ま、落ちこぼれの伊賀の忍びであった。
過去形なのは御殿の逆鱗に触れて里を追い出され、京の都の外れの山中のボロ屋でプーしてたから。

忍び仲間の黒弓が持ってきたひょうたん、それが化身して人の姿になる。
そしてひょうたんを植えよと言う。
この流れは何だ?
ひょうたんの物の怪?
なんとも呑気なお話だと思ったのだが、ねね殿と会ってから怪しくなり始めた。
大坂冬の陣、戦が風太郎の忍びとしての性を呼び覚ます。
が、忍びに戻ることを夢みてた風太郎にとって、これが望んでいたことなのか?
ひょうたんの物の怪に、ねね殿に託され、昔の忍び仲間とともに送り込まれた大坂夏の陣
託されたものは何とか果たしたのだが。。。
そこでの鮮烈、苛烈な戦いがあり、城の主から新たに託されたものがあった。
仲間の死があった。
自分は仲間の犠牲の元に生かされ、ただただ託されたものを全うしようと果たし、力尽きた。
主人公にも容赦ない。
時代に翻弄された若い忍びたち。
平和ボケに喝を入れられた感じ。
腕が飛ぶ、首が飛ぶ、血の雨が降る、そんな本物の戦の凄惨さが余すところなく描かれている。
これが万城目さんのタッチだったか?
すっごい新鮮に楽しんで読めた。
読み応えあり。
なんせ700ページ超えてるもん。(^^;