死神の浮力

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前作「死神の精度」は6編の短編集だったが、今回のは長編書下ろしである。
もちろん死神の名は "千葉" で、相変わらず音楽好きで、ピントがずれた受け答えも健在で、勤勉で、冷徹で、もちろん不死身。

今回の調査対象は、娘を殺した相手に復讐する男だ。
殺人犯は起訴されるが犯人の用意周到さと殺された娘の両親の根回しで無罪となる。
もちろん復讐のために無罪になるよう仕向けたわけだが、犯人はそれの一枚上手をいく。
犯人はいろいろな罠を仕掛けて両親を愚弄し嘲笑する。
感情を持たない死神と同等の冷徹さを持って。
で、死神の千葉だが、復讐の邪魔をしたり 、手助けをしたり、本人は真面目に対応しているのだが、どこかずれていて逆にコミカルだ。
人の生死を判定するのにまったく他人事なのが可笑しい。
果たして復讐は・・・・これは成功したのか??
微妙で笑える結末。
で、しっかり判定は・・・
エピローグで分かる。
で、新たに調査対象者が。

参勤交代の話や、還元キャンペーンには笑った。(^^ゞ