見張り塔からずっと

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なんなんだ!この変な家族たちは!!
荒んでるよ、病んでいるよ、狂ってるよ。
そんな家族が三組。
いやはや・・・

・「カラス」…バブル期に購入したニュータウンの団地に住む人たちの陰惨なイジメ。
対象はバブル崩壊後に安く手に入れた住人。

・「扉を開けて」…1歳で突然死した息子を巡る夫婦の空虚な関係。
生きていればこんな感じだったろうという近所の男の子に対する複雑な思いが鬱積し、最後が中々怖いのです。

・「陽だまりの猫」…18歳という若さで結婚したが、夫からも義母からも嫁として見られていない孤独な女が取った現実逃避行動がなんとも。。。

見張り塔からずっと観察してみる、客観視してみる。
みな、何を見るだろうか。
垣間見えた三組の異様な家族たち。
表題作を持たない作品です。