正義をふりかざす君へ

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「正義」と言えば、やはりハーバード大学の政治哲学のマイケル・サンデル教授の授業「Justice(正義)」でしょ。(^^ゞ

それはともかく、この作品で真保さんが日本人の抱く「正義」の曖昧さ、御都合主義でエゴイスティックなところをガツンとえぐり出したなぁっと思ったわ。
溜飲の下がる終わり方ではなかったが、かえって現実的だなと思った。

地元紙の記者だった主人公は、地元有力者の娘と結婚し、義父の仕事を手伝うために記者を辞してホテル業へ転職した。
ホテルで起こった食中毒事件や、責任者の自殺により義父は失脚した。
彼は、義父と妻からのあらぬ疑いを掛けられ、辞表と離婚届を置いて故郷を逃げ出した。
七年後、元妻からの依頼により、元妻の不倫相手を救うために帰りたくない故郷に戻る。
そこから彼を襲う謎の出来事が。。。

新聞社の、そこで働く人たちの振りかざす「正義」の犠牲となった人らとの共闘が始まる。
裏で手を引く最大にして最悪の人物とは誰なのか。
ハードボイルドな長編ミステリーでした。

「正義」を唱える全ての人に。(笑)