光圀伝

61

いやぁ、大作、大作。
751ページもあるし。
上下巻に分けてもいいぐらいだわ。
読み応えありましたね。

「光圀」って隠居してからの名前だったのね。
現役時は「三國」と。
國が惑に繋がるってことで改名なのだそうな。

どこまで史実と一致しているかは分かりませんが、幼少時の父から受けた命懸けの「お試し」や、少年、青年期の奔放な振る舞い、傾奇きぶりが可笑しくも羨ましく思えたり。(^^)
妾の次男坊が同腹の兄を差し置いてなぜ水戸藩の世子に選ばれたのかという苦悩が全編に綴られ、兄の子を養子に迎えて血筋の返還を思いつき、これを儒学に則って「義」であることに光明を得、それを見事成し遂げる様が、後に「黄門さま」と称される人間水戸國光の人となりが偲ばれる思いだ。
終章でこの「義」に基づく返還沙汰が、「大政奉還」を唱えた自身の家臣を屠ることになろうとは、また水戸藩から出た最後の将軍が「大政奉還」をやってのけたことは皮肉であり、痛快な思いがした。
あの世で苦虫を噛んだような顔をしている光圀が思い浮かばれて可笑しい。(^m^)

短時間で(返却日が迫ってたから)読むのは大変でしたけど、寝食を削って読み耽ったことに後悔はない。
まっこと良い作品でした。

天地明察」の時もそうでしたが、うまいなぁ冲方丁さん。
ちょっと字が読めないけど。(^^;
「うぶかた とう」って読みます。(^_^;


われも左近の膝枕が欲しいぞ。(爆)