疾走 上・下

57、58

普通だったら青春を謳歌するひと時を嵐のように駆け抜けた一人の少年の過酷な物語。
少年の小学3年の時の艶かしい体験から3年が過ぎた小学6年から中学を経て15歳で生涯を閉じる。
その間に、家族の希望の長男が壊れ、放火魔として逮捕された。
それに起因する父親の蒸発、母親のギャンブルと借金、学校でのイジメ、初体験、家出、新しい命、殺人ほう助、逃亡、再会、殺人未遂、帰郷、そして・・・幕は閉じる。
最期に、いろいとな「ひとり」を背負って旅立って行った。
孤独、孤高、「ひとり」に憧れて、しかし人との繋がりを求めてしまう少年。
それでいいんだ。
人は一人では生きていけない生き物だから。
少年を陰で支えた神父によって語られる、いろいろな意味で濃いお話でした。