朝の歓び 上・下

51、52

大人の小説だね。
恋愛であり、官能であり、人生や幸福とは何かを問う哲学的でもある。
なかなか読み応えがありましたよ。
主人公は45歳にして惑いっぱなしの男。
妻に先立たれ、ますます妻に似てきた年頃の娘と、登校拒否気味の息子がいる。
唐突に仕事をやめて、昔の浮気相手と再開を果たし、二人でイタリアに旅立つ。
って、えーっ?そういう流れ??
旅先で二人してやることはやっちゃうんだけど、なんかお互いこそこそと隠し事しているのが可笑しい。
なんやかんやあって、なかなか面倒な仲である。
日本に帰ってきて別れたと思ったら、また引っ付いてるし。
そのうち、男の友人が愛人を孕ませたり、その友人の紹介で年老いた男とゴルフをしたり、訳ありの過去を知らされたり、これまた面倒な連中ばかりで心が休まらん。
それでもみんな一生懸命生きているのであり、また幸福を求めているのであり、死の夜から生の朝を迎えるに至り、大いなる歓びを感じるのである。
残りの人生、精一杯楽しまなきゃ。
そう思ったわ。(^^ゞ