桜ほうさら

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あら、時代小説だったわ。
すごい読み応えあったし。
完読に5日間もかかってしまいました。(^^;

ささらほうさら・・・「いろいろあって大変だった」という意味なんだそうな。
甲州弁?
主人公の生い立ち、現在の境遇が、まさにそう。
「ささら」と、主人公が見た桜の精、赤あざの娘との淡い恋、「さくら」を引っ掛けて「桜ほうさら」。
なるほど。

主人公の男は、小さな藩の小納戸役を受け持つ家の次男坊だった。
自分とよく似て、おっとりした父が好きであったが、賄賂を受け取った疑いをかけられて切腹
兄が父の後介錯を務めた。

主人公は父の名誉挽回を、という思いで江戸に渡って貧乏長屋に住み、写本の仕事で生計をたてながら父の筆跡を真似て陥れた犯人を探すのだった。

事の真相は・・・意外な結末!
う〜ん、してやられました。
ミステリーの中に淡い恋をも描き、読む者を飽きさせない。
情熱い長屋の連中の心温まる言葉が染みるねぇ。

ほのぼの挿絵もいい感じでした。