望郷

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望郷、ふるさとは遠きにありて思ふもの、そして悲しくうたふもの。。。
はい、北摂で生まれて、北摂で育ち、今もまた北摂で生活している自分には「故郷」と哀愁を込めて呼べる場所ではないなぁ。
もう生家は存在しないし。

話は脱線したが、この「望郷」は、著者の生まれ故郷の広島県因島を架空の島「白綱島」に替えて題材にした6編からなる連作短編集である。
故郷の白綱島を出て行った者、留まった者、出戻った者、それぞれが抱え込む心の内面を見事に描いていると思った。
もちろん、ミステリー要素も忘れない。
いい作品群でした。