いちばん長い夜に

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前科持ちの芭子と綾香のコンビが、今回も健気に地味に東京の下町で暮らしていく。
過去がバレることに怯えながら、私たちは幸せになってはいけないのだと肝に命じる毎日。
そんな中で大災害に遭遇した芭子。
2011年3月11日に起きた東日本大震災だ。
そこに居合わせた弁護士とタクシー3台乗り継いで何とか東京に戻れた。
それが縁で交際が始まる。
綾香は生まれ故郷の仙台が被災したのに突き動かされボランティア活動に精を出す。
だんだんと違った道を歩み始める二人。
芭子は決心して弁護士に過去に犯した罪のことをすべて打ち明ける。
それでも動じない弁護士(エライ!)。
綾香は働き先のパン屋で一悶着を起こしたことで店をやめ、アパートも引き払ってボランティア活動に専念する。
そして彼女はすべてを悟ったのだった。
多くの無念の死にふれて、自分の犯した罪の重さをやっと理解したのだ。
それでも被災地で息子夫婦と孫をいっぺんに失った老夫婦のパン屋の手伝いをすると決めた綾香。
動きだした二人の新たな人生は?長い長い夜のトンネルを抜け出すことができるのか?
なかなか感動のシリーズ完結編でした。

なんか東日本大震災の件が唐突で、いやにリアルな描写だなと思ったら、著者がこの作品の主人公の一人である綾香の生まれ故郷という設定をしていた仙台に取材に赴いていた時に被災し、その時の体験をほぼ忠実に盛り込んでいたのdsった。
なるほど、納得。

TVドラマでも今やってるね。
録画して観てます。(^^ゞ