禁断の魔術 ガリレオ8

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間違い無く前作「虚像の道化師 ガリレオ7」より出来がいい。

4作品が収録されています。
・「透視す」… みとおす
果たして透視が実現できるのか不明ではあるが、殺害された女性の置かれた状況が涙を誘う。
継母との仲違い、でも真実が分かった時、より一層悲しい。
湯川が被害女性の本当の想いを救い出した。

・「曲球る」… まがる
戦力外の通告を受けた投手が、妻が生前に語った退き際の忠告に従うか現役続行にこだわるかで揺れる。
湯川の科学的解析によるフォームの矯正や推理による投手の妻の本心を浮かび上がらせる。

・「念波る」… おくる
双子姉妹の姉が殺された。
妹はテレパシーで姉の危機を察知していたと言うが、湯川はその嘘を見破る。
が、敢えてその嘘に乗っかり、殺人犯の尻尾を掴むため罠に嵌める。
これは湯川でなくても・・・(^^;

・「猛射つ」… うつ
むむっ!
中編?長編?半分を占める文量。
読み応えあり。
「禁断の魔術」とはこの作品だった。
湯川の母校である高校の生徒からの依頼で、物理研究会の新部員獲得のための機械の作成方法を伝授する。
数年後、彼は湯川のいる帝都大に合格し、湯川の元へ挨拶に来た。
湯川は覚えていて、少年の未来は明るいものと思ったのだが・・・
少年のたった一人の肉親で、親代わりに大学まで行かせてくれた姉が子宮外妊娠による卵管破裂でホテルで亡くなった。
死因は病死だが、状況からして男が同室しており、姉は見殺しにされたと少年は思い、復讐に燃えるのだった。
湯川が手ほどきをした例の機械を使って目的を果たそうとする。
それを知った湯川が取った行動とは?
「科学者たるもの」の強い使命と責任の下に湯川は決断する。
う〜ん、そう来たか。(感嘆)
これはガリレオ短編シリーズ随一の出来だ!

こりゃぁ「買い」ですよー!っと誰となく囁いてみる。(^^ゞ
私は借りて読んだけど。(^^;

ガリレオシリーズ、しばらくお休みかも。(ぼそ)