窓の向こうのガーシュウィン

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単純に考えれば、19歳になる主人公の女性は不幸だ。
未熟児で生まれて体は細くて未成熟、色弱で耳も雑音が混じって聞き取り辛い。
学校ではバカにされ、仲間にいれてもらえずに孤独な人生を送っている。
家族はバラバラ、父はふらっと出て行っていなくなることがある放蕩癖のあるような人。
でも、ホームヘルパーとして働き出して、そこの派遣先で出会った先生と、息子と、その孫との出会いで、女性は目覚める。
止まったままの時計が動き出すようにその女性の人生も動きだし開花して行く。
何かどこかに普通にある情景が写し出されるが、額縁を通して見るように、鮮やかに描き出されている、そんな作品でした。
何となくホッコリと明日への一歩を踏み出せる勇気が少し頂けます。
それでいいんだよって。