2012-10-03 冬のはなびら 読書 188 ひたむきに、誠実に、正直に、ありのままの今を生きる。 そんな短編が6編。 それぞれの作品の中で、主人公たちが精一杯生きていく情景がありありと目に浮かぶ。 いい作品でした。 その中でも表題作の「冬のはなびら」いいですね。 無二の親友の志を継いで、小さな離島の教会を再建する。 親友の両親と久しぶりに再開する予定だったが、会えたのは奥さん一人。 奥さんの手には白い椿。 全てを悟った彼の心中を思うと胸が痛いが、やり切った充足感は親友と、その父に捧げるに値するものだったろう。