最果てアーケード

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連作短篇集です。
どこかの(どこ?)街にある小さなアーケード。
その小さなアーケードには誰が買うのか、それでも誰か求める人がいる限りお店を開いて待っている。
使い古しのレースや、ドアノブ、義眼などを売る小さなお店たち。
そのお店に愛するものを失った人々が、想い出を買いにくる。
なんか切なくてキラキラした懐かしい香りのする物語。
このアーケードを貸して管理していたのが父で、その娘は飼い犬のべべとともに成長し、やがてアーケードのお店の商品をお客様の元に届ける配送屋として働く。
店主とお客にちょっと関わる娘。
でも最終話で自分の人生に終止符を打とうとしているようだ。
死期の近い飼い犬のべべ。
待ち合わせをして父と映画を見る約束が果たせなかったのが心残りで、そっとドアノブを回す。
予想していなかった終わり方に呆然。
静かに物語が進んでいただけに結構衝撃的でした。