ブラフマンの埋葬

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ブラフマン、最初は犬かと思ったけど足に水掻きがあって、尻尾に特徴があって、椅子やベッドなどの木部をかじる様子から「ビーバー」とみた。
結局最後まで何の動物かは明らかにならなかったのだけれど。
ビーバーが迷い込んでくるぐらいだから日本でのお話ではない。
カナダか?
ま、国籍はこの物語にさしたる重要性を見出さないから何処でもいいんだけどね。
「創作者の家」の管理を任された青年とブラフマンと名付けられた動物との心かよう物語。
どれと雑貨屋の娘とのほのかな恋心(彼女には体を重ねる男がいるようだが)もこの物語の奥行きを出す。
本の題名からも悲しい結末が予想できるのだが、果たしてそのようになってしまった。
あっけない最期で物語もブラフマンの埋葬の様子を淡々と書き出して唐突に終わってしまった。
なんと淡白で余韻がないのだろう。
それがより一層悲しくさせた。