太陽は動かない

88

なかなかのハードボイルドでした。
エネルギー資源に関係する産業スパイ、中国、韓国、日本、米国と国際色豊か。(^^;
日本の技術流出を阻止?
そんな陳腐な愛国心のカケラもない、情報こそ全て。
騙して、出し抜き、生きた情報を握って、いかにそれを高く売りつけるか。
国境を越えたスピード感ある展開、男と女、酒とドラッグ、命を掛けて彼らは飛び回る。
作品の核は、石油資源から太陽光発電へ。
それも宇宙空間に打ち上げた太陽光発電所と地上のアンテナ基地との送電に使うマイクロ波、これらの周辺技術を巡る諜報、収賄、拉致、監禁、懐柔、裏切り等がドキドキさせますね。
主人公が属す組織の掟が怖い。
消息を絶つと胸に埋め込まれた自爆装置が起動する。(うわっ)
それから組織に入れられる人間には悲しい過去があった。
幼少のころに親に捨てられた子供を引き取り、産業スパイに育て上げる。
幼児虐待や東日本大震災の時事ネタも盛り込んだ長篇エンターテイメント。
十分楽しめました。