日輪の遺産

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ダグラス・マッカーサーGHQ最高司令官。
この男がフィリピン独立の為に隠した財宝を、日本陸軍が奪って日本に持ち帰った。
終戦間際、この財宝の半分を秘密裏にとある場所に隠した。
日本復興の為の資金として。
極々少数の人間しか知らない特殊任務。
それに関わった4人の男と女子中学生35人の、日本の未来への強い思いを描いた壮絶な物語。

競馬場で出会った老人から託された手帳には時価200兆円にものぼる財宝の在処が記されていた。
手帳に書かれた当時の模様と現代とを、行きつ戻りつ展開されて行く。
財宝探しではない、国のこれからの在り方を問う。
懸命に良き国になることを信じ、それぞれの使命に忠実に応えた登場人物たち。
「遺産」とは財宝なんかじゃない、先人達の国を思う遺志だ。
戦後67年、私たちはちゃんと「遺志」に応えられたのだろうか。
しかし・・・最終章が、余りにも哀しい。