ここに地終わり海始まる上・下

163、164

「ここに地終わり海始まる」そんなフレーズの書かれた絵葉書を異性からもらった主人公の女性は、生きる力をそこから得る。
6歳から18年間もの長期に渡る結核の療養生活にそれは奇蹟を起こした。
24歳から始まる壮大な再生物語、「生」と「性」への目覚めの物語でもあった。
主人公が自分への元気付けにつぶやく「なんのこれしき」が何となくミスマッチで微笑ましい。
「世間」で経験する初めてのことに少しずつ慣れながらも再発の恐怖を背負い、絵葉書をくれた男性を探す。
この男は最低なやつなのだが。。。
直感的にこの男性が嘘をついていることを見抜くが、ある意味奔放な行動を取る主人公に驚きながらも、いつしか応援してました。(^^;
周りを巻き込んで、18周もの周回遅れを取り戻そうとするが、戻しきれない運命を受け入れざるを得ない状況が悲しい。
先のことは分からないけど、自分の気持ちに正直に絵葉書をくれた男と交わる。
そこから新たに始まる彼女の人生に祝福を。