幽霊人命救助隊

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まぁね、自殺を取り扱った微妙な作品です。
13階段」を書いた高野和明さんの作品だったし養老孟司さんが解説してたからそれなりに期待していたんだけどね。
内容は自殺して天国と常世の狭間にいた享年も死んだ時代も違う4人が神様から天国行きと引き換えに地上に戻って49日以内に100人の自殺願望者を救えと命じられるというもの。
幽霊となって舞い戻った彼らは、自殺に思い至る人々の内面の苦悩を汲み取り思いとどませる。
救助しているうちに彼ら4人も何故自殺なんかしたのだろう?と苦悶しつつも自分たち自身も開放されて行く。
意外な設定はOKだが、いろいろと矛盾があったり。
一番話をややこしくしているのは、幽霊なのに物質を通り抜けられないこと。
これがなかったらシンプルになっていたのに。
ちょとシリアスな内容なのに中途半端に面白くしようとしているのが残念。
毎年3万人以上もの人たちが自殺で亡くなっている現状で、自殺の原因や対処法などが盛り込まれているエンターテイメントな作品としては貴重なのかもね。