サウンド・オブ・サイレンス

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本当は重くて、考えさせられるような話なんだけど、ポップで軽いタッチ、なぜかスピーディーに展開する青春小説だ。
主人公は高校1年生の女子。
聴覚障害者だけの3人のダンスユニットのマネージャー役を買って出て、ダンスバトルに向け猛特訓するど根性物語。(ちょっと違う)
聴覚障害者だけのダンスバトルでは優勝、健常者の大会では・・・
三者三様の聴覚障害で、一人は生まれつき、一人は幼少期の髄膜炎で、もう一人は1年前の交通事故で聴覚機能を失っていた。
それだけでなく、手話、筆談、読話携帯メールと、コミュニケーションの手法と能力の差もひどい。
そこに健常者の主人公が加わってテンヤワンヤ。
音は聞こえないけど、振動として感じることはできる。
それでもダンスをリズムを間違えず息を合わすのはかなり難しい。
軽いノリだけど、それぞれの努力がスゴイ。
だけどねぇ、会話テンポが普通に感じられてしまい、聴覚障害者であることを忘れてしまって、大変さが伝わりにくいのが残念。
想像力で補って、その裏側に思いを馳せよう。