平成猿蟹合戦図
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なるほど、猿蟹合戦かぁ。 出だしを読んで、どうそこに導くのか結構ワクワクしながら読みました。 ま、こんなことはなかなか起こることではないけど、そこは物語っちゅうことで。 九州の離島から東京へやってきた子連れホステスと、その夫の冴えないイケメンホスト、そのダチの秋田出身のバーテン、バーテンが目撃した轢き逃げ死亡事故の真の加害者のチェロ奏者、そのチェロ奏者のマネージャーの女、チェロ奏者の身代わりに刑務所に入った実兄、その娘、その曾祖母、冴えないホストとバーテンの面倒を見る韓国クラブのママ、これらの人々の夢と希望をのせてバーテンが衆議院議員選挙に打って出る。 こちらは「蟹」。 小汚いことを裏でやらかしている大物政治家(こちらが「猿」)を敵に回して地元の若者と老人、そしてメディアを味方につけて闘う。 決して美しい闘いではなかったけど、読後の爽快感はなかなかのもの。 なにかこう国のあり様が、少しでも良い方向に変わっていけばいいなと思ったのでした。 |