きつねのはなし

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中編小説が4編。
それぞれ独立しているけど、胴の長い怪しげなケモノ、紙で出来た狐のお面、そして「芳蓮堂」という古道具屋が共通キー。
なんとも狐につままれたような、化かされてるような、奇妙なお話でしたわ。
やはりと言っては何だが、表題作の「きつねのはなし」が良かったね。
バイトの仕事の取引先で、知らぬ間に怪しげな男と取引を行っていたようで、自分の彼女を盗られてしまう。
結局はバイト先の女性に助けてもらったのだが、その女性と怪しげな男とどういう取引が行われたのか、知りたかったが謎だ。
それこそ文字通りの闇取引なんだろうけどね。
何とも不思議で、森見氏の今までの男臭い四畳半作品とは一線を画した作品群でした。