図書室の海

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10編からなる短編集でしたね。
ソフトなホラーっぽいのが多かったかな?
夜のピクニック」の序章的なやつや、「六番目の小夜子」の番外編的なやつもあって、いろいろ取り混ぜてお読み得な一冊でした。
個人的には「春よ、こい」が良かったですね。
著者がユーミンの歌が頭に中で流れていたとか。
とっても不思議な感じで、懐かしくも青春のほろ苦い思い出とはちょっと違うけど、ノスタルジックで、それでいてドキンっと心が痛む。
ほんのりホラーの香りもするけど、美しい風景が広がっている。
お互いに生まれた子にはあなたの名をつけようと約束するぐらい仲良しの少女の卒業式当日の悲劇が描かれる。
1回目は私が、次は友人がトラックにはねられて亡くなる。
デジャヴのような繰り返し。
お互いうまくいかないともう一度やり直す。
今度はうまくいって揃って卒業で来た。
美しい桜にまつわる古今和歌集の短歌の調べに合わせて。
美しくもうすら寒い読後感がたまりません。(^^ゞ