繋がれた明日

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自分の彼女にちょっかいを出され、忠告しにバーを訪れるが、外で喧嘩になって護身用に持っていたナイフで相手を刺し死なせてしまう。
20歳手前だった為少年審判で済んだ。
5〜7年の服役。
相手が先に手を出したのだと主張するも信用されず、殺された男の友人が虚偽の証言で刑が確定する。
こんなはずじゃなかった。。。。
この物語の本質は仮出所後の青年の苦悩と悔恨と家族の悲劇にまつわる罪と罰を読む者に問う。
加害者も被害者の家族も、もちろん加害者の家族をも地獄に突き落とす。
上辺だけの改悛ではない、本当の反省をしてもなお社会はそれを許さない。
不条理だとは思うも逆の立場なら。
それが罪を冒した者の定めだとは割り切れない思いがつのる。
この手の作品では、東野圭吾氏の「手紙」が思い出された。
それでも本作品は、保護司や母親、妹、仮出所後に全ての事情を知って雇ってくれた経営者や先輩たちに励まされながら6年間の穴を埋めるように何もできなかった子供から責任ある大人への道を歩む、この先いばらの道が続くともハッピーエンドで終わる。
いやぁ、犯罪には関わりたくないものだ。
現実はこんな生易しいものではないんだろうけどね。
ちょっと一点だけ難癖。(^^;
殺された男の彼女がストーカーみたく主人公を追い込むのだが、ラスト付近ではすっかり変心してるのがどうもね。
そんなに簡単に変心するかねぇ。