八月の路上に捨てる

106 

表題作の「八月の路上に捨てる」は芥川賞受賞作で、他に2編何れも若い夫婦の問題を扱った作品です。
「八月の路上に捨てる」は30歳になる前日にバイト先の年上バツイチの女性が運転する清涼飲料配達のトラックが舞台。
明日の9月1日に30歳になり、そして今の妻と離婚する、そんな経緯を女性に語らされる。
お互いに嫌いじゃないのにちょっとしたすれ違いの積み重ねがそうさせたのだと。
離婚してこの先に何が待っているワケでもないが、一切合切を捨てなければ新たな一歩が踏み出せそうにない、そんな想いが軽やかに書かれていることがかえって事態を重くさせられる。
どうするかね、彼は。
聞き役の女性は、明日には配置転換になっってトラックの運転から内勤へと変わる。
どうやら再婚するらしい。
女性は幸せにために、男は・・・何のために?
それでも陽炎立つ八月の路上に捨てなければやってられないよ、っと投げやりにつぶやくのが聞こえてきそうだ。(^^ゞ

男と女の関係は難しいなぁ、みんな色々とあるけど、それなりにやっていくしか無いよなぁ、うちの夫婦でも問題山積なんだよなぁ、っと一人ため息。
って、この箇所は嫁には読ませられない。(爆)