横道世之介
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青春小説である。 主人公の名がそのまま題名になっている。 長崎から東京の大学に行くために上京し、そこで出あった人達との交流が軽快なタッチで描かれていく。 2流大学で頭も良くなく、容姿もパッとせず、図々しいが憎めない、頼まれると断れないお人好し。 でも主役を張ってるし。(笑) 大学生活をエンジョイしている様を読むと、うん十年前が思い出されおセンチになってしまうわ。(^_^; でも20年後に彼の姿はない。 友人の一人は中学生の娘とどう向き合っていけばいいのか悩んでいるし、元恋人は国連の職員として難民キャンプで働いている。 紆余曲折もあったりするが、皆それぞれの人生を歩んでいる。 世之介は・・・ 2001年1月、東京・山手線の新大久保駅で韓国人留学生と日本人でカメラマン が、ホームから転落した男性を救助するため線路に飛び降りたところ、進入した列車にはねられ、3人とも死亡するという痛ましい事故の当事者になっていた。 作中では転落したのは女性だったが。 世之介は報道カメラマンになっていた。 享年40歳という若さだった。 横道世之介、「いろんなことに、『YES』って言っているような人」であり、地下鉄駅出の事故の時も「ダメだ、助けられない」ではなくて、その瞬間「大丈夫、助けられる」と思うような人であった。 最後は切なくさせる世之介の母が元恋人に宛てた手紙で締めくくられている。 |