なくしたものたちの国

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なんだろうね、不思議な作品でしたね。
あとがきによれば、著者が松尾たいこさんからイラストを頂き、それらを題材にした連作短編集ということだ。
ある女性の少女から大人の女に、恋愛をして、結婚をして、子供をもうけて、やがて一生を終える、そんな中でいっぱいなくしたモノ、人、記憶が行き着く場所、そんな国があると言う。
ちょっと現実離れして、少し怖い話も出てくる。
ヤギと会話する?
飼い猫の生まれ変わりの少年?
生霊になってしまった?
自分の子供を電車の中に忘れてきて、遺失物管理庫に取りに行くだって???
むむむ、怖い。
なくしたモノたちに再会しに行って、でも途中で記憶がどんどん薄れてきて、やがて自分がそこに閉じ込められる。
それって死んだってことよね。
で、別のモノに生まれ変わるのを待っている。
う〜ん、オカルトっぽいぞ!
と思ってしまったのは私だけ?
本当は、生きることのよろこびとせつなさを描いた作品なのだそうな。(^_^;