ひそやかな花園

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幼い、小学校に上がるか上がらないかという時期に数日間だけ過ごした夏のキャンプ。
楽しかった、毎年楽しみにしていた。
どういった集まりだったのか?
親戚ではない。
近所の友達でもない。
それでも確かに自分が自分でいられた場所。
でも突然、夏のキャンプはなくなった。
理由はわからない。
親に聞いてもはぐらかされる。
それから20数年経ち、かつてのキャンプの仲間がちょっとしたきっかけで集う。
あの夏のキャンプがどういった集まりだったのか?
本当の理由は?
親と子の葛藤、夫婦の葛藤がそこにはあった。
自分のアイデンティティ探しの物語、家族の物語。


グループの中に一人はいるであろうイヤなやつ。
自分の不幸に溺れ、悲劇のヒロイン気取りの勘違い女。
物語の中で、一番凡庸で、幼い女。
でも、昔の仲間を通して自分の愚かさに気づき、前向きに一歩踏み出そうとする。
成長物語でもあったのだな。